医学部受験の長文読解【英語を極める.3】

医学部受験の長文読解【英語を極める.3】

医学部受験の英語について【長文読解編】

医学部の英語試験は様々な問題で構成されているが、最もやっかいなのが長文だろう。
限られた試験時間の中で読み解き、答えを見つけなくてはいけない。

しかし、私立と国立のセンターでは文章の長さも異なるし、問題のレベルも大きく変わる。
このため、どのような長文にも対応できる英語力が求められるのだ。

当サイトでは、医学部受験の英単語についても紹介していますので、興味がある方はこちらの記事も是非ご覧ください。

長文読解が難しいと感じる理由

長文の読解が苦手な人、難しいと感じている人も多いだろう。
だが、どうして難しいと感じてしまうのだろうか?問題の難易度も影響するが、長文読解が難しい理由は以下が考えられる。

  • 英語の基礎ができていない(単語や文法、熟語など)
  • 設問を細かく読んでいない、細部を確認していない
  • 完璧に翻訳しようとしている

英語の基礎ができていないのはもちろん、設問にちゃんと目を通していないことも理由の1つだ。
特に読解力が試されるので、設問は時間を掛けて確認すべきである。

長文読解が難しいと考えている人は、完璧に訳そうとしているパターンが多い。
確かに中途半端に訳すとモヤモヤが残るが、果たして完璧な翻訳が必要だろうか?意味が通じれば問題ないはずである。
複数の解釈方法がある問題は、人それぞれ訳し方が変わる。
そのため、完全に翻訳することは無意味なのだ。

長文読解を得点源にする方法

しかし、長文をマスターすれば点を落とさずに済む。
苦手な人も多いだろうが、ぜひ以下の学習方法を取り入れてみてほしい。

  • ディスコースマーカーを使う
  • スラッシュリーディングを取り入れる
  • 興味がある分野の洋書を読む

1つ目のディスコースマーカーとは、主に接続詞のことを指す。
例えばbutやonce、forなどが当てはまる。
こうしたマーカーは、話題が切り替わる際に用いられる。
長文の中には最低1つか2つはあるので、まず探してみるといい。
そしてマーカーの前後の文に注目すれば、文章全体の意味を理解しやすくなるのだ。

また、スラッシュリーディングも使うといいだろう。
複数の単語・語句をスラッシュ(/)で区切る読解法で、長文が苦手な人こそ効果的である。
区切りごとに文章を翻訳すれば、長文全体の意味や主張を捉えやすくなる。
区切りごとに読めるため、読解スピードが上昇するのもポイントだ。

長文に慣れることも大切である。
普段洋書を読む人は少ないと思うが、ぜひ寝る前や時間がある時に洋書の読書にチャレンジしてほしい。
ただし、興味のある分野がおすすめだ。

逆に興味がない分野の洋書は途中で飽きるだろうし、読むのが苦痛になる。
いずれにせよ、好きな分野の洋書を読む点が大切である。
なお、洋書の入手が難しいなら、大きめの書店や通販で買うといいだろう。

医学部合格レベルにまで引き上げるには?

上記の方法を実践すれば、長文の読解力は自然と身に付いてくるだろう。
だが、医学部合格レベルに達するかは話が別だ。
平均より上程度の英語力だと、合格レベルには程遠い。
もし合格レベルまで引き上げたいなら、以下の英文をすぐ訳せるくらいの英語力が必要だ。

Would You Kill the Fat Man? is the title of a recent book about a set of moral problems that philosophers like to ponder, and psychologists to put to their experimental subjects.

引用元 http://chobundokkai.blogspot.com/2018/08/2016-i_23.html

上記の問題は、2016年の早稲田の政経で出題された長文読解の一文なのだが、翻訳できただろうか?
すでに長文読解力が医学部合格レベルに達している。

逆にもたついたり、頭に「?」が浮かんだ人は諦めてほしい。
読解力よりも英単語・文法を伸ばしたほうがいい。

ただし受験までに十分な期間がないなど急ぎの場合は、英語に強い東京の予備校に通うことも視野にいれたほうがいいかもしれない。

長文読解を学ぶのにおすすめの参考書

上記の問題はすぐ解けないけど読解力は高めたい、という人も多いだろう。
そんな時は、英語長文・読解に関する参考書を取り入れてみよう。
以下でおすすめの3冊を紹介するので、書店で見かけたらぜひ手に取ってみてほしい。

精読&速読のプラチカ

「精読&速読のプラチカ」は河合塾が出版している参考書だ。
読解力を高める「精読のプラチカ」と、読むスピードを鍛える「速読のプラチカ」に分かれている。
いずれも長文対策に有効なので、鍛えたいスキルによって選んでほしい。
なお、問題数は25問程度で解説はほとんど無い。

問題の質が高く、難関大学レベルにも対応しているのが魅力だが、決して初心者向けの本ではないため注意してほしい。
長文問題に取り組みたい、難問に挑戦したいといった人には最適だろう。

引用:https://ec.line.me/flowergardendiy/gardeningagriculture/product/2847649975

基礎英語長文問題精講 改訂版

「基礎英語長文問題精講」は、長文読解の入門に最適な一冊だ。
内容が非常に充実しており、約50問を通じて読解力を高めることができる。
基礎から応用、発展レベルまで網羅されているため、模試対策や速読のトレーニングにも最適だろう。

なお、本書の難易度は初級~中級レベルのため、難関大学の長文を解ける人には物足りないだろう。
逆に英語慣れしていない人、長文アレルギーの人におすすめである。

引用:https://www.obunsha.co.jp/product/detail/032963

竹岡の英語塾 難関大英語入試長文

「竹岡の英語塾 難関大英語入試長文」は、竹岡塾などで活躍する竹岡広信氏が携わった参考書だ。
問題数は16問とやや少ないが、難関大学の長文問題から厳選されており、丁寧な解法や解説が多数盛り込まれている。
要約問題も収録されているため、要約トレーニングもできるのが魅力だ。

決して難易度は低くないが、医学部合格レベルの読解力を身に付けるなら必須の一冊といえる。
難問に挑戦したい人は、本書を活用してみるといいだろう。

まとめ

最後に重要なポイントをまとめる。

  • 長文読解が難しいと感じる理由は複数ある
  • ディスコースマーカーの活用などで読解力を高められる
  • 医学部合格レベルに持っていくのは困難
  • 読解力を高めるなら参考書の利用がおすすめ

長文読解は難易度が高く、医学部の合格レベルの力を身に付けるのは困難だ。
しかし、勉強すれば点を落とさずに済むし、多少なりとも得点源にできる。
英語で点を稼ぎたい人は、積極的に長文問題へ挑戦してほしい。