国立医学部の英語の特色
国立医学部の英語は、主にセンター試験と二次試験の2つに分けられる。
このうち、個別に対策が必要なのは二次試験だろう。
求められる英語力は大学によるが、小さなミスが命取りになりかねない。
単語はもちろん、文法もしっかり勉強しておくべきだ。
以下では主な国立医学部の試験傾向について述べる。
受験予定の人はぜひ参考にしてほしい。
大阪大学医学部
大阪大学医学部は長文や和訳、リスニングから英作文まで、幅広い分野の問題から構成されている。
読み書きはもちろん、読解力やリスニング能力も求められるため、英語力そのものを問われるだろう。
国立医学部の中では難易度が高く、中途半端な対策では点を落としやすい。
だが、合格のためにも7割程度の得点率はキープしたいところだ。
特に対策しておきたいのは和訳問題だ。
英語の読解力だけでなく、日本語の表現力も求められる。
ただし、問題文自体は比較的短いため、落ち着いて取り組めば落とすことはない。
むしろ貴重な得点源と捉えるのもいいだろう。
東京大学理科Ⅲ類
東京大学理科Ⅲ類は二次試験そのものの難易度が高いが、もちろん英語も例外ではない。
しかし、意地悪な問題が出題されることは無く、至ってオーソドックスな問題で構成されている。
相応の英語力と読解力は求められるが、基礎が固まっていれば十分解けるレベルだ。
試験は5つの大問で構成されており、分野は要約や和訳、長文に文法、そしてリスニングと非常に幅広い。
阪大と同じく、ほぼ全ての分野をカバーする必要がある。
単語や文法の使い方はもちろん、要約もしっかり鍛えておきたい。
CDや英語音源を聞き、リスニングもトレーニングしておくといいだろう。
京都大学医学部
京都大学医学部の英語は、数十年ずっと同じ傾向が続いている。
試験問題は、和訳・英訳の2つが柱になっており、文章の翻訳や英作文など複数の大問で構成されている。
全体としては極めてベーシックであり、私立大学のような奇問・難問はいっさい出題されない。
ただし、その分基本的な英語力が求められる。
一方、設問は抽象的な表現をされている場合が多い。
時折専門用語や比喩も使われており、それらを解釈するための語彙力も必要になる。
翻訳問題は表現力も欠かせないため、イディオムをしっかり身に付けておきたい。
東京医科歯科大学医学部
東京医科歯科大学医学部の英語試験はとてもシンプルだ。
複数の大問で構成されるのではなく、長文問題が1問出題されるのみである。
しかし、これが大きな落とし穴だ。
一般的な大学の長文問題とは違い、冊子数ページにも及ぶ”超”長文問題である。
文章を構成する単語数も非常に多く、1000語以上あるので注意してほしい。
この超長文問題をこなすためには、まず英単語と文法を徹底的に叩き込み、その上で長文の読解力を高める必要がある。
要約が求められるので、参考書で要約問題を多数こなすことも重要だろう。
試験時間も限られるので、スラッシュリーディングなど速読する方法も身に付けておきたい。
いずれにしても、一般的な大学より読解力と速読力が求められるだろう。
まとめ
各国立医学部の英語試験の傾向を以下にまとめてみる。
- 大阪大学医学部は幅広いスキルが求められる
- 東京大学理科Ⅲ類は英語力そのものが問われる
- 京都大学医学部は語彙力と表現力が重要
- 東京医科歯科大学医学部は読解力や速読力が明暗を分ける
それぞれの大学によって取るべき対策は変わる。
ただ、国立は多くの大学が英語を重視している。
特に英語が苦手な人の場合、早めに対策したほうがいいだろう。